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セレーナ・ゴメスに惑わされてはいけない!?『涙の抗議』が見落とす移民問題の本質

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 俳優、歌手、またユニセフ親善大使のセレーナ・ゴメス氏が、トランプ政権による不法移民の取り締まりと強制送還に対して、涙ながらに抗議する動画を投稿し、その中で「私の仲間たちが攻撃されている」「子供たちが犠牲になっている」と主張しました。

 しかし、この動画はすぐに削除され、彼女はトランプ支持者からの批判に対し、「人々への共感を示すのは許されないのか」と反論しました。

 彼女はメキシコ移民の三世であり、祖父母が米国に移住した背景を持ちます。

 しかし、彼女の祖父母が合法移民だったのか、それとも不法移民だったのかは定かではありません。

 仮に不法移民であり、その後定着し、彼女の成功に繋がったとしても、それはあくまで「お目溢し」の範囲であり、国家が無制限に不法移民を受け入れることを正当化する論拠にはなり得ません。


 現在、米国には何十万、何百万もの不法移民が流入しており、これは国家の盛衰に関わる重大な問題です。

 彼女の個人的なルーツを理由に、不法移民全体の正当性を主張するのは無理があります。

■ 移民問題の本質:「移民される側」に選択権があるか

 移民問題を考える際に最も重要なのは、「移民される側」に選択権があるかどうかです。

 現在の米国及び米大陸の国々は移民の国ですが、それは現地の先住民たちが両手を挙げて移民を歓迎した結果ではありません。

 欧州人と接触した最初の時から、現地の先住民たちは疫病によって壊滅的な打撃を受けました。

 推定5000万人いた人口の9割が、天然痘などの疫病によって命を落としたと言われています。

 また、欧州人の軍事力に対して、先住民たちは十分な抵抗ができず、結果的に移民によって権利や財産を奪われました。

 この歴史を考慮すると、現在の米大陸国家はその犠牲の上に成り立っていると言えます。

■ 米大陸国家間の繁栄の差異

 同じ米大陸国家であっても、その繁栄の度合いには大きな違いがあります。米国は世界最強の超大国へと成長しましたが、それ以外の米大陸国家は必ずしも同じレベルの繁栄を享受しているわけではありません。

 ダロン・アセモグルとジェイムズ・A・ロビンソンの『国家はなぜ衰退するのか』によれば、北米と南米の発展の違いは、政治制度や社会制度の違いに起因しています。

  • 北米(米国・カナダ)は、法治・平等・個人の権利を重視する「包摂的制度」を持ち、経済成長を支えました。

  • 南米(スペイン・ポルトガルの植民地)は、封建的・収奪的な政治制度が根付き、エリート層による支配が強く、発展が阻害されました。

 この歴史的背景を考慮すると、現在の米国の繁栄を維持するためには、法治や平等の概念を尊重する移民を受け入れるべきであり、逆に、そうでない文化や価値観を持つ移民を無制限に受け入れることは、国家の衰退を招くことになります。

■ 欧州の混乱と移民問題

 現在の欧州は、イスラム移民やアフリカ移民の大量流入によって深刻な混乱と社会不安を抱えています。

 フランスやドイツでは、移民による暴動やテロ事件が相次ぎ、文化的衝突が激化しています。

 スウェーデンでは移民による犯罪率の増加が社会問題化し、治安の悪化が進んでいます。

 移民政策の失敗によって、かつて繁栄していた欧州の都市が荒廃し、社会の分断が深刻化しています。

 特に、イスラム文化がもたらす「非包摂的な価値観」は、法治や自由、平等といった欧州の基本的な価値観と衝突しており、『国家はなぜ衰退するのか』的視点に立つなら、このような「非包摂的な価値観」が欧州に定着すれば、欧州の衰退を加速させることになります。


■ 米国トランプ政権の対応と日本への示唆

 以上の状況を踏まえると、米国トランプ政権の移民政策は、細かいやり方には問題があったとしても、全体としては評価せざるを得ません。

 トランプ政権は、不法移民の流入を制限し、国家の安全と法治の維持を最優先する方針を打ち出しました。

 これは、米国の繁栄を維持するために必要な措置であり、無秩序な移民受け入れがもたらす危険を回避する合理的な政策でした。

 日本もまた、この問題に対して慎重な対応を取るべきです。

 日本は比較的厳格な移民管理を維持していますが、今後さらなる労働力不足を背景に移民受け入れの議論が進む可能性があります。

 移民を受け入れれば米国のように繁栄するなどという単純な考えは持つべきではなく、同じ移民国家でも繁栄しなかった他の米大陸の国々の貧民から、大量の移民希望者が米国に不法移民しようとしている事実や、欧州の失敗を教訓に、無秩序な移民政策を回避し、日本の文化と法治を尊重する移民のみを条件に、厳格な基準の中で受け入れるべきです。

 移民受け入れ側に選択権が持てないなら、移民は侵略と同じなのだということをよくよく理解する必要があります。

■ 結論

 セレーナ・ゴメス氏の個人的なルーツを理由に、不法移民全体の正当性を主張することは誤りです。

 米国が繁栄を維持するためには、単に移民を受け入れるのではなく、国家の基盤となる「法治と平等の概念」を尊重する移民を選別する必要があります。

 不法移民が増加すれば、国家の秩序が揺らぎ、長期的には米国の衰退を招く恐れがあります。

 欧州の現状を見れば、移民政策の失敗が社会の混乱と衰退をもたらすことは明らかです。

 米国のトランプ政権の対応は、大局的に見れば適切なものであり、日本もまた、移民政策において慎重な姿勢を取り続けるべきです。

 移民問題の本質は、単なる人道的問題ではなく、国家の存続と繁栄に直結する重大な課題だからです。