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3日の衆院予算委員会で、石破茂首相は国民民主党の浅野哲衆院議員が要求している「年収の壁(103万円)」の引き上げや、過去最高の税収増分を国民へ還元する案について、事実上「とても無理だ」と突っぱねました。
しかし、その主張を見てみると、経済の仕組みを軽視し、国民の生活苦をまるで“脇に置いた”まま「財政規律」を押し通すだけ。
とても経済政策を担うトップの言葉とは思えず、経済音痴ぶりがにじみ出ています。
■「財政のため」か「国民のため」か――ズレる視点
石破首相のロジックは、「消費税は伸びていない」「高所得者しか増収に貢献していないから、税収を返せない」というもの。
さらに「不測の事態に備えるために蓄えておきたい」という趣旨の話もしました。
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自ら格差を認めているのに、再分配を拒絶
首相答弁では「高所得層しか税収増に寄与していない」と明言。つまり格差拡大を是認しているにもかかわらず、「だからこそ低所得層への配慮が必要だ」という再分配政策には背を向けています。これは経済学的にも、政府の第一義的役割でもある“所得再分配”を放棄するかのような姿勢といえるでしょう。 -
「不測の事態」の曖昧さ
「備えるべき」と言うなら、目の前で起きている物価高騰や少子化危機への対応こそ最優先ではないでしょうか。過去最大の税収を取りながら、国民の暮らし向きが少しも好転していないのに、国民には増税・出費を強い、サービスは削り、還元の声には「無理」と一言。まるで国民不在の発想です。
■ 経済政策センスの欠如
経済学の初歩的原則として、消費や生産を高め、社会の活力を引き出すためには、可処分所得を増やし、景気を下支えする政策が効果的だとされています。
特に今の日本は少子化と長期的な経済停滞が同時進行している中で、「年収の壁の引き上げ」や「減税策」によって個人の働きやすさ、使えるお金の増加を促すことが急務です。
ところが石破首相の頭には、どうやら「増税の継続」と「財政の安定」しかないかのように見えます。
目の前で苦しむ庶民の消費行動を冷え込ませる一方、富裕層だけが潤う構図をさらに助長する。
これでは「経済音痴」と批判されても仕方ありません。
■ “石破首相”を輩出した現自民党への絶望
さらに憂慮すべきは、こうした人物を首相に担ぎ上げた自民党の体質です。
かつては自民党内にも、経済活性化や財政出動による景気の底上げを唱えるグループが存在しました。
ところが、今はかつての“財務省寄り”な議員たちが幅を利かせ、一方的に緊縮路線を進めようとする勢力が主導権を握っている印象が拭えません。
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中間層を切り捨てる党運営
税収が増えても、活用先は“備え”と称して曖昧にされ、社会保障は負担増ばかり。中間層や若年層は可処分所得を奪われ、結婚や子育てが遠のき、少子化は加速していく。未来を築く世代を犠牲にしているわけです。 -
『役人ファースト』体質
国の財政が逼迫していると言いながらも、結局は財務官僚らが好む「増税・緊縮」モデルを蹴ることはなく、官公庁の権限は温存。国民にとって本当に大切な構造改革が先送りされるばかり。この悪しき流れを変えるリーダーシップを、自民党内部で期待できないのが現状でしょう。 -
党内調整ばかりで実効性なし
石破首相も長年、自民党内で要職を歴任してきましたが、これといって“実効性のある改革”を実現した実績に乏しいと言われます。派閥間の顔色をうかがう政治が続く限り、国民が求めるビジョンなど脇に追いやられるのは目に見えています。
■「このままでは日本は沈む」という危機感
石破首相や自民党の姿勢を見ていると、まるで「国民にカネを返す余力などない。さらに増税に備えよ」とでも言いたいようです。
国民の生活を向上させるビジョンや、経済成長を通じて税収を確保する基本方針がいっこうに打ち出されないまま、「将来に備えて今は我慢」と言うだけでは、国民は疲弊し、少子化・貧困は深刻化していくばかり。
このまま行けば、日本はますます長期的な衰退に突き進むでしょう。
破綻やハイパーインフレを恐れて慎重に舵を切るなら、それ相応の説明と将来像が必要です。
しかし今の自民党には、それを国民にしっかり伝えて納得させる力が見えません。
■ 国民が突きつけるべき「NO」の声
経済音痴ぶりを曝け出し、筋の通らない主張を掲げ続ける石破首相。
こうした人を総理大臣に選んだ現自民党もまた、国民の未来に真面目に向き合っていないという印象を強めるばかりです。
国民の中からは「こんな政府・与党に任せていては日本が沈む」という絶望と怒りの声がますます高まっています。
次の国政選挙で有権者がどのような選択をするか――そこにこそ、この国が「財政のために国民を捨てる」政権を続けるのか、「国民のためにこそ財政を動かす」政権を求めるのか、その岐路がはっきりと表れることでしょう。
国民を顧みない経済音痴のトップをいただく限り、日本の再生など夢のまた夢かもしれません。
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