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2025年2月3日、石破茂首相はソフトバンクグループの孫正義氏やOPEN AIのサム・アルトマン氏らと面会し
「日本とアメリカがAIの分野でさらに協力を深め、世界がより平和で豊かで安全になるよう努めていきたい」
と語った模様です。
しかし、もしも報道通りであるのなら、この発言はどこかズレています。
何故ならば、AIは単なる道具であり、それ自体が平和をもたらすわけではn
AIは活用方法次第で、平和にも貢献しますし、戦争や監視社会の強化にも使われます。
石破首相の発言は、たとえるなら
「日本とアメリカがハサミの分野でさらに協力を深め、世界がより平和で豊かで安全になるよう努めていきたい」
と言っているようなものです。
■ AI=ハサミ論
AIとハサミは似ています。
ハサミは紙を切るのに便利な道具ですが、それを武器として使うこともできます。
同じように、AIは医療、教育、環境問題の解決に役立つ一方で、軍事、監視、ディープフェイクなどの悪用も可能です。
例えば、
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AIを活用したサイバーセキュリティにより犯罪を防ぐこともあれば、
逆にAIを使ったハッキングが大規模な情報漏洩を引き起こすこともあります。 -
AIのサポートは外交や国際関係の円滑化に役立つこともありますが、
AI兵器の開発によって戦争リスクが高まることもあります。 -
AIによる労働の自動化で経済は発展するかもしれませんが、
一方で職を失う人々が増え、格差が広がるリスクもあります。
つまり、AIをどのように運用するかが重要であり、単に「日米がAIで協力すれば平和が訪れる」といった話ではありません。
■ 本当に言うべきだったこと
もし、石破首相がAIについて真剣に考えているのであれば、次のような発言がより適切だったのではないでしょうか。
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「日本とアメリカがAIの軍事利用を制限し、倫理的な開発を推進するために協力します」
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「AIの発展が経済格差を広げないよう、適切なガイドラインを設けます」
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「AI技術を監視社会の強化ではなく、市民の自由と人権を守るために活用します」
このような具体的な方向性を示すことで、初めて「AIを活用して世界をより良くする」ことが現実味を帯びます。
■ 石破首相の「ズレたコメント」の背景
石破首相は、過去にも抽象的で現実味のない発言を繰り返しました。
ある意味石破氏構文とも言えますが、今回のAI発言もその一環であり、「とりあえず耳障りのいいことを言っておこう」という意図が透けて見えます。
しかし、AIという強力な技術について、日本の総理であれば、もっと具体的で責任のある発言が求められます。
AIの未来は、使い方次第で明るくも暗くもなります。
日米の協力が必要なのは確かですが、その協力が「世界を平和にする」ためのものか、それとも「軍事技術の競争を加速させる」ものなのか、慎重に見極める必要があります。
AIをハサミに置き換えて考えれば、このズレた発言の問題点は一目瞭然です。
大事なのは、道具そのものではなく、それを使う人間の意志と倫理なのです。
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